お米の自給率とグルテンフリー

2023.10.23

季節は一気に進み「霜降」霜が降り始める頃。

紅葉の便りが北の方から南下してきて、紅葉と初雪が一緒に楽しめたところもありましたね。
今年の紅葉は遅めだと聞きますが、確実に秋は深まっていきます。
収穫の秋、実りの秋、採れたての旬の新鮮な食材をいただくことは贅沢の極みですね。
前回は新米やお米にまつわるお話でしたが
今回もお米の可能性を掘り下げていきたいと思います。

食料自給率

お米の自給率は97%とほぼ国内産で賄われております。
日本の2022年度食料自給率が
カロリーベース食料自給率38%
生産額ベース食料自給率58%
という中で、とても優秀な食材なのです。
食料自給率とは、国の食料供給に対する国内生産の割合を示す指標です。
カロリーベース食料自給率は、生きていくために必要なエネルギー(熱量、カロリー)の国内生産の割合で、
1人が1日に摂取したカロリーのうち、何割が国産のものだったかということです。
カロリーベース食料自給率=1人1日当たり国産供給熱量÷1人1日当たり供給熱量
と計算されます。
生産額ベース食料自給率は国民に供給される食料の生産額に対する国内生産の割合です。
国内の食料生産額÷国内の消費仕向量✕100
と計算され、こちらの方が世界標準なのですが、日本ではカロリーベース食料自給率を採用しています。

1965年から公表されており当初は73%、戦後直後は90%近い食料自給率だったのですが、
急激な食生活の変化と共に下がっていってしまいました。
かつての日本の食事はお米が主食で副菜に野菜料理などを食べていましたが、
今では世界各国の料理が日本にいながらにして味わえたり、食の多様性でお米を主食として食べる量が減ってきています。
江戸時代には1日3合ものお米を食べていたのに、今では1日に1合も食べていないのです。
人によって差がありますが、全くお米を口にしなかった日もあるという方も多いのではないでしょうか。
明治維新以降、西洋料理が入ってきて食文化に変化がおき、
そして戦後の食糧不足、GHQの指導のもと始まった学校給食でパン食が始まったこともお米離れにつながっていきました。
せっかく国産ほぼ100%で美味しいお米をいただけるのに、余ってしまっているのです。
しかし、お米は米食だけではなく、お餅やお煎餅、お団子などに加工したり、米酢、醤油、麹、などの調味料の材料にもなっていますし、日本酒にもなります。
そして、今注目されているのが米粉です。

米粉

パンやパスタ、お菓子に使われる小麦粉は日本では気候的に栽培に適さないため、自給率は15%とほぼ輸入に頼っています。
またパンに含まれるグルテンが原因で引きおこるアレルギー反応などもあり、
今、グルテンフリーの米粉が注目されています。
米粉はもち米とうるち米で用途が違います。

「うるち米の米粉」
パン用(米粉パン、米粉ケーキ、米粉麺)
上新粉(団子、柏餅、すあま、ういろうなど)
「もち米の米粉」
白玉粉(お汁粉、白玉団子、求肥)
もち粉(大福餅、羽二重餅など)

米粉はサラサラとしていてダマになりにくいため、粉を振るう手間も省けます。
また、油を吸収しにくいため、揚げ物に使用しても冷めてもカリッとヘルシーに仕上がります。
粒子が細かく水に溶けやすいため、ベタつかず、後片付けも楽なのです。

実際に米粉を使ってみました。
「米粉のケークサレ」

「米粉のニラチヂミ」

・混ぜるのが簡単
・外はサックリ、中はもちっと仕上がる
・冷めても外側はさっくりとしている
・胃にもたれない
・調理に使った食器が楽に洗える
やはりこんな利点がありました。

グルテンフリーとは

グルテンフリーとはグルテンを含む食品を摂取しないライフスタイルです。
小麦に含まれるグルテニンとグリアジンというタンパク質が水と混ざり合うことで粘りのあるグルテンになります。
元々はグルテンに異常反応を起こす遺伝性の自己免疫疾患セリアック病や、小麦アレルギーの人の食事療法の一環でしたが、
ヘルシーな食生活として世界に広まっていきました。
小麦は食後の血糖値を急上昇させ、それを下げるために過剰分泌されたインスリンが脂肪を溜め込みます。
またグルテンは糊のようにベタベタしており消化吸収されにくく、
腸の粘膜に張り付いてしまい炎症を起こし、腸内環境の悪化にもつながり、自律神経にも影響します。
前向きな気持ちを作り出す幸せホルモンのセロトニンの分泌も悪くなるのです。
疲れが取れない、消化力が落ちている、気分が落ち込む、やる気が出ない、
こんな症状はグルテンが引き起こしているかもしれないのです。

WELLERでは米粉やグルテンフリーの食品を多く取り揃えております。
米粉のほかに、栄養価の高い玄米粉、
有機玄米のパスタ

ナポリタンや和風パスタなど日本独自の進化を遂げたパスタ、
グルテンフリーの食生活を取り入れていても食べたくなりますよね。
そんな時にも安心して召し上がっていただけます。

有機玄米のフォーとパッタイ

ベトナム料理のフォーはヘルシーで人気です。
米の生産が盛んなベトナムの麺は米粉が多いのです。

グルテンフリー食パン

米粉のパンはしっとりもっちり、そしてふわふわです。

オーガニックバナナケーキ

オーガニックかぼちゃケーキ

WELLERでは店舗の下で作った出来立てのお弁当やオリジナルスイーツを販売しています。
米粉を使用した季節の野菜や果物を使ったヴィーガン&グルテンフリーのケーキは
グルテンフリーとは思えないほどふわふわな食感です。

現在、不安定な国際情勢や異常気象が起こる中、
世界的な食糧危機が起きたら食料自給率が低い日本はどうなってしまうのでしょうか。
食を見直して、地産地消フードロス削減、そして食料自給率を上げていくことは結果的に地球を守ることにもつながっていくのです。