陰と陽
2023.9.23
9月23日は秋分の日。秋のお彼岸の中日です。
暑さ寒さも彼岸までと言われるように、80日以上も続いた真夏日もやっと終わり秋の気配がありがたいですね。
秋分と春分は、天文学的に黄道(天空上の太陽の通り道)と天の赤道(地球の赤道が天球と交わる交線)が交わる2点で、昼の長さと夜の長さがほぼ同じになります。秋分の日を境に次第に昼の時間が短く、夜の時間が長くなっていくのです。
春分、秋分の日を挟んだ七日間のお彼岸にはお墓参りに行ってご先祖様を供養する習慣があります。
ご先祖様が暮らす世界を「彼岸」私たちが暮らす世界を「此岸」と言い、彼岸ははるか西の彼方にあると言われていました。
昼と夜の長さが同じになる春分・秋分には太陽が真東から上り真西に沈み、彼岸と此岸が一番近くなるため、ご先祖様をより近い距離に感じられるのです。
陰陽論
春分と秋分の日は陰と陽のバランスが均等です。
陰陽論では、人間と自然界は一体だと考えられ、統一体と呼ばれています。
そして森羅万象すべてのものは陰と陽、二つから成り立ち、お互いに対立し依存し関係し合っていると考えられています。
天と地、夏と冬、昼と夜、上と下、明と暗、男と女、動と静・・・
どちらか一方だけでは存在することができず、片方が強くなったり弱くなったりしてバランスをとっているのです。
宇宙全体を大きな統一体と考えると、人間はその中の一つの要素であり、また人間も一つの統一体です。
人間の体の中にも陰と陽がありそのバランスが取れている状態が健康体で、体の中の陰と陽を自然の状態に合わせて変化していっています。
例えば夏には体表に熱がこもり発汗して体を冷まします。冬には体の熱が少なくなるので汗が出ないよう体を温めます。
今年の夏のようにあまりにも暑すぎて陽が過剰になってしまうと、体の中では慌ただしく変化に追いつくための調整が行われているのです。
この夏を乗り切ったことだけでも、体は素晴らしく頑張ってくれたということです。
食材の五性
食べ物にも陰と陽があります。
薬膳では食材は四気「寒・涼・温・熱」の四つの性質に分けられ、
四気のうち寒涼が「陰」に属し、温熱は「陽」属します。
どちらにも属さず、作用が穏やかなものを「平」と言い四気と平を合わせて「五性」と呼びます。
寒性
・涼性より強く体を強く冷やし、熱毒を取り除く
・発熱、喉の痛み乾き、便秘などの症状緩和
・主な食材:苦瓜、スイカ、蓮根、トマト、バナナなど
涼性
・体を冷やす効果があるか寒性より穏やか
・火照り、のぼせ、熱中症予防に
・主な食材:きゅうり、セロリ、りんご、なしなど
平性
・常食しても体に偏った影響を与えにくい
・他の食材と組み合わせやすい
・主な食材:小豆、米、にんじん、キャベツ、じゃがいもなど
温性
・冷えや寒さを取り除く。熱性より穏やか
・疲労回復、食欲増進、気の巡りをよくする
・主な食材:棗、生姜、カボチャ、餅米、ねぎなど
熱性
・体を温める効果が強く、冷えを取り除く
・気血の巡りを良くし、痛みを取り除き、冷えによる症状の緩和
・主な食材:山椒、胡椒、唐辛子、胡桃など
五性と五味(六味)「酸・苦・甘・辛・鹹・(淡)」、体の陰陽のバランス、季節の変化、
そして帰経「肝・心・脾・肺・腎」のどの五臓に優先して働くのかを配慮して献立を組み立てていくのが食養生、食療養、薬膳の考え方です。
お彼岸にお供えするおはぎ。
あんこの小豆は「五性・平 五味・甘酸 帰経・心、脾」で、
栄養素もポリフェノール・ビタミンB群・カルシウム・カリウム・鉄分・アントシアニンなど多く含まれており、夏に疲れた胃腸の調子を整え、毒素を排出し新陳代謝を促す効果があるのです。
また、小豆には邪気を払い福をもたらす力があるとされています。
陰陽のバランスが整うお彼岸に体にもお供えとしてもぴったりの食材ですね。
ちなみに、春は「ぼたもち」秋は「おはぎ」と同じものでも呼び方が違います。
春に咲く花・牡丹から「ぼたもち」、秋に咲く花・萩から「おはぎ」と呼ばれるようになり
あんこもぼたもちはこしあん、おはぎはつぶあんという違いがあります。
小豆の収穫は秋9月~11月ごろで、秋のお彼岸には収穫したばかりの皮の柔らかい小豆なので粒あん、春まで保存した小豆は皮が固くなってしまうためこしあんとして使うのです。
寝かせ玄米
酵素玄米や発酵玄米とも言います。
玄米は「五性・平 五味・甘 帰経・脾、肺」
寝かせ玄米にすることで、消化吸収もよくなり、
ダイエット効果・抗酸化作用・便秘解消・血液サラサラ効果・むくみ改善など多くの効果が期待できます。
おはぎの代わりにお供えしても良いですね。
作り方
玄米三合、小豆30g、天然塩3g、水750ccぐらい
・玄米と小豆を洗いざるにあける
・ボールに玄米と小豆、天然塩、水をいれ、泡立て器で8分間ぐらいゆっくりと円を描くように回し混ぜる。
・上記をすべて炊飯器に入れ玄米モードで炊く
・炊き上がったら3日間、保温状態のまま寝かせる
・一日一度かき混ぜる
お忙しい方、手軽に寝かせ玄米を試してみたい方には、
WELLERで取り扱っているこちらのレトルトの寝かせ玄米はおすすめです。