たけのこの季節ですね!

2023.4.27

桜の季節が終わると新緑とともににょきにょきと顔を出すたけのこ。
今年は桜の開花も、新緑も、たけのこも早いですね。
たけのこという漢字は「旬」に竹かんむりで「筍」
「旬」という漢字は
・魚介類や野菜の最も美味しい時期
・物事を行うのに最も適した時期
という意味のほか、
・10日間
という意味があり、
1か月を上旬、中旬、下旬と区切るときにも使われています。
「筍」という漢字の由来は、たけのこは成長が早く約10日間で竹に成長することからきています。成長が早いので、旬の時期を逃さないように美味しくいただきたいですね。

以前、竹林のある立派なお宅の前を散歩をしていたら、そちらの家主さんに
「たけのこを掘っていきませんか?」
と声を掛けられたことがあります。
ありがたく掘らせていただき沢山のたけのこをいただいたのですが、
そちらの家主さんはご高齢のご夫妻で、竹林の管理に頭を痛めていると聞きました。
たけのこを掘らず、そのまま放置しておくと、
あっという間に大きく成長し太陽光を遮るようになり、
竹が腐って倒れるリスクが高まるのです。
なのでこの季節のたけのこ掘りは重労働ですが、欠かせないのだそうです。
日本では放置竹林問題が深刻化しているそうです。

この写真は2枚とも近所の同じ竹林のものですが、
手入れした部分と手付かずになっている部分の差がはっきりとわかります。
手付かずの方は枯れている竹も多いです。竹は地下茎の繁殖力が非常に強く、
横にぐんぐんと成長し、他の樹木を飲み込んでいってしまいます。
また竹は他の樹木と違って根を浅くはるため、
大雨などで地盤が緩くなると土砂災害の原因にもなるそうです。
放置竹林を減らすために、さまざまな取り組みが行われています。

テーブルやバッグ、ザルなどの家具や日用品に加工したり、
乳酸菌が豊富な竹パウダーにして肥料やぬか床に活用したり、
竹紙をノートや折り紙に加工したり、いろんな工夫がなされています。
WELLERでも竹製のストローや歯ブラシを取り扱っております。


こちらの竹歯ブラシは私も愛用していますが、
持った感触がとてもよく気持ち良い使い心地です。

そんな旬なたけのこ、今の季節にいただけるのは孟宗竹という種類のものです。
たけのこは集中力を高める効果のあるチロシンというアミノ酸の一種や、
うまみ成分グルタミン酸、味覚に作用する亜鉛などの栄養素も豊富で、
体内の余分な熱を下げ、解毒や便秘解消にも効果があります。
しかし食べ過ぎは禁物です。
たけのこの灰汁やえぐみに含まれるシュウ酸は結石の原因になるのです。
下茹でをしてあく抜きをして、カルシウムを多く含む厚揚げや油揚げ、
また旬のそら豆などと一緒に調理するとシュウ酸が排出されやすくなるそうです。

筍ご飯、若竹煮、たけのことそら豆のしぐれ煮、などの和食から、
青椒肉絲、春巻きなどの中華料理、
パスタなど洋風な料理など、どんなものにも合いますし、メンマにしておけば重宝します。
季節の旬の味を楽しみながら竹林問題にも少し役立ちますね。
5月中旬からはあくが少なく下茹でも楽な真竹や淡竹に出会えるかもしれません。

 

By 堤晶子